炊飯時の匂い成分のリアルタイム分析を実現 ~品種だけでなく水量により匂い成分の発生挙動が異なることを確認~

ホーム > 教育研究成果 >  炊飯時の匂い成分のリアルタイム分析を実現 ~品種だけでなく水量により匂い成分の発生挙動が異なることを確認~

本研究成果のポイント

◆炊飯時に発生する匂い成分のリアルタイム分析を実現しました。
◆米の品種(もち米かうるち米か)や炊飯時の加水量によって、匂い成分が気体として検出され始める温度に違いが見られることを確認しました。
◆炊飯では調理過程で水が豊富に存在するため、品種だけでなく加水量が匂い成分の発生挙動に大きく影響していることがわかりました。

概要

ご飯の匂い成分が炊飯中のどの時点でどの程度発生しているかをリアルタイム分析できれば、米の品種や保管期間に合った炊飯条件をご飯の匂いの観点から検証することができます。福井大学の内村智博教授の研究グループおよび福井県農業試験場の小林麻子主任研究員は、レーザーイオン化質量分析法(注1)を用いて、炊飯時に発生する匂い成分のリアルタイム分析に成功しました。
実験では、もち米である「タンチョウモチ」およびうるち米である「いちほまれ」を用いました。「タンチョウモチ」は、一般的なご飯(おこわ)として炊くために炊飯時の加水量を少なくしました。結果として、2種類の匂い成分(インドールと4-ビニルフェノール)のリアルタイム計測に初めて成功しました。この内、インドールについては、品種や水加減によって気体として検出され始める温度が異なることが確認されました。これに対し、4-ビニルフェノールの検出開始温度はどちらの米でも100℃弱で同じでした。
本研究により、匂い成分の発生挙動が品種だけでなく水加減によっても変わる可能性があることが分かりました。今後、匂い成分の発生挙動を詳細に検証することで、各ブランド米に合った炊飯条件の提案や消費者の好みに合うご飯を炊くことができる炊飯器の開発などへの貢献が期待されます。

論文名

「タンチョウモチ」及び「いちほまれ」炊飯時に発生する匂い成分のリアルタイム分析

著者

Shohei Hashimoto, Masaaki Ukita, Hirotake Yamaguchi, Asako Kobayashi, Tomohiro Uchimura

橋本 将平(福井大学大学院 工学研究科 産業創成工学専攻 修了)
浮田 匡章(福井大学大学院 工学研究科 産業創成工学専攻 修士2年)
山口 陽丈(福井大学工学部 物質?生命化学科 学部4年)
小林 麻子(福井県農業試験場 品種開発研究部水稲育種研究グループ 主任研究員)
内村 智博(福井大学学術研究院 工学系部門 材料開発工学講座 教授)

掲載誌

「分析化学」誌72巻10?11合併号に掲載予定
(発行:2023年10月5日)

プレスリリース資料はこちらをご覧ください。

研究者情報

内村 智博 教授

問い合わせ

取材申し込み等、問い合わせはこちらのページからお願いします。

│ 2023年10月3日 │
ページの先頭に戻る
前のページに戻る