自然の模様がデザインされた服やインテリアに囲まれていると、楽しい気分になることはありませんか?
今回紹介するビジュアルデザイン学科の授業「模様プロジェクト」は、学生たちが自然や文化をたよりに模様をデザインし、それをビジュアルプロダクトとして展開するというもの。学生の話を通じて、模様によって私たちの気持ちが変化する理由が分かった気がします。
展覧会場「GALLERY Ann」(京都市下京区)で案内をしてくれたのは、ビジュアルデザイン学科3年生の日下葉月さんと台湾出身の陳庭庭さん。
鮮明に記憶に残るというマリーゴールドの花畑をモチーフにした日下さんの作品。ワンピースとリングバッグのお出かけセットで展開したのは、再びあの花畑へ向かいたいという思いから。リングバッグはお母さんに手伝ってもらった品。
授業の過程で自分がデザインした図案が、プロのテキスタイルデザイナーの手によって模様に落とし込まれる現場を見ることができ、パターン制作の理解が深まったという日下さん。学んだ技術を今後も応用できそうだと意欲満々でした。
陳さんの作品のモチーフは、太平洋に面した台湾の台東市で、海や山など自然溢れる地域。そこには親戚の民宿があり、毎年夏になると家族旅行をしていました。今回改めて自然に向き合って、いろんな発見があったようです。
他にもたくさんの作品が展示されていましのたで、いくつか紹介します。
「コンクリート」をモチーフにしたクッション。人工物であるコンクリートもよく観察することで、隙間から自然を感じることができると言います。自然物をモチーフにした作品が多い中で意表を突かれましたが、日常を振り返るきっかけになりました。
トートバッグに落とし込まれた模様のモチーフは「水面」。空、風、光といったあらゆるものが映し出される水面の魅力がとてもユニークに表現されていました。この模様を使ったカーテンも展開していました。
こちらの壁紙作品は、安眠とリラックス効果があると言われる「ガーデニア?ジャスミン?ラベンダー」がモチーフ。美しい花をインテリアに取り込むことで、忙しい日常に安らぎのひと時を与えたいという願いが込められています。
自然のエネルギーを受けて自由奔放に育つ植物の姿をモチーフに、タイルとして展開した作品。上下左右を好きなように組み合わせて、唯一無二の模様を作ることが出来ます。まさしく自然のように。
この「模様プロジェクト」には、自然と暮らしとクリエイティブを一つのサイクルとして考える「職住一体」を学ぶというねらいもあるそうです。広い視点を持ったデザイナーが育って欲しいという願いがこの授業には込められています。